ルンビニだより
「つながる環境プロジェクト」への想い
2012-07-18
昨年冬、現名誉園長先生とご縁のあったある園長先生が、若い大学の先生をお連れになりました。当園が、建築と保育を関係づけて建設するさきがけとなった一例の現ホール、そして子どもから学ぶ保育を軸にした教育を教えてもらった園(現名誉園長)ということでのご見学でした。
保育の世界では、もう当たり前になった考え方である、環境が保育(子ども)を左右するという視点を建築の視点で初めて研究論文をお書きになった先生でした。その論文は学会で受賞された、と後から伺いました。その先生が今回のプロジェクトの佐藤将之先生です。
私は長年、ルンビニを建築・構築物、保育室環境、教育内容を総合的に見直したい、と願っていました。しかし小さな園ですから、資金も少ない中、進むに進めずにおりました。ちょうどそんな最中、佐藤先生と巡り合うチャンスが来たのです。私は必死で先生に協力を請いました。しかし、実は先生も初めて園をご案内する私の言葉に、同じような思いを抱かれていらした、と後から伺いました。
その後早速、佐藤先生、院生、私でコンセプトを打ち合わせ、「つながる」という言葉にたどり着きます。これは、名誉園長からのご縁のつながりと私が引き継ぎ、抱くルンビニの教育方針、新しい形の保護者参加型教育、環境と教育がつながる保育でもあるのです。従来からのPTA活動に加え、PTAサークル活動の定着、運動会での競技参加実態、さまざまな保育場面におけるボランティア活動、お父さんの焼き芋会の定着化、つながり合うことにより、教育がより寛く、豊かで、温かく、深い実践が行われている実態、これまでの教職員のチームワークと働き、そして支えのおかげです。その遺産を生かし、4月早速、新しい教職員一同と佐藤ゼミの皆さんとで意見交換。
「お父さんのつながる遊具製作」が事業第1弾として、7月15日に完了したのです。
製作中、お父さん方のお声にありました。「先生、これほんとにいい企画ですね」「子どもの遊具を作るチャンスなんてまずないですよ(初日午前中のみ参加したパパ)」「こんなことできるのルンビニくらいですよ」「先生、業者に頼むなんてもったいない、今度はうちらでできますから」といった頼もしいお言葉が。
お父さんたちが作ったことにより、我が子のみならずルンビニの子どもたちと共有できる空間が出来上がりました。子どもたちの喜びと自慢になりました。保育が豊かになっています。大なり小なり関わる家族も幸せになります。園の資源が豊かになります。教職員の励みに繋がり、さらに保育が良くなります。
このような企画を推進して下さる佐藤先生、実行部隊のお父様方、支えるお母様方、快く、材料と専門技術をご提供くださった、木村工業様と三橋製材所様、そして、この事業を陰で大きく支えてくれた院生のお二人。皆さま、本当に有難うございました。そしてこれからも、子どもたちの為にお力をお貸しください。ともに新しい未来の為に。 園長 イテル武田抄子
